ヒップホップの振付:クルー、音楽性、フォーメーション

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グループでヒップホップの振付を作る作業は、三つのことを同時に進めることです。リズムに乗ること、シンクロした動きのフレーズを書くこと、そしてクルーを舞台上で移動させ、そのつなぎ目を見せないこと。この記事では、音楽性とアクセント、動きの質を語るための用語、構成のテクニック(ユニゾン、カノン、リップル)、そしてフォーメーションを順に見ていきます。使う言葉は、スタジオや大会の現場でそのまま通じるものに合わせました。

音楽性と 8 カウント:すべての振付を支える枠組み

音楽性(ミュージカリティ)とは、ダンサーが音楽をどう聴き、どう解釈し、どう踊るかということです。動きのトーンを決め、追いかけるべき音を教えてくれます。それを形にするいちばん基本の道具が 8 カウントです。音楽のフレーズを八つの拍に区切り、動きを置くための枠として働きます。8 拍が終わればまた次の 8 が始まり、フレーズは音楽の上で物語を語る段落のようにつながっていきます。8 カウントの頭は、小節の中でいちばん強いアクセントであるダウンビートを見つければわかります。

一つの 8 カウントの中でも、アクセントが置かれる拍とそうでない拍があります。たとえば 1 と 5 でシャープな動きを決め、3 と 7 でなめらかな移り変わりにつなぐ、といった作り方です。もっと細かく取りたいときは、カウントを割ります。「one and two and…」と「and」を入れれば 16 拍、速いテンポでは「e and」を足して 32 拍まで分解できます。動きが密に詰まっている箇所を合わせるときに役立ちます。

アクセントをつけるとは、どの音の層を踊るかを選ぶことでもあります。いちばん低い音であるベースは、ストンプのように床に根を張った動きを呼びます。乾いたスタッカートの「カッ!」という音のスネアは、鋭くキレのある動きを呼びます。ハイハットの「ツッ、ツッ」は細かい割りを刻みます。電子的な音のシンセは、抵抗を感じさせる粘りのある動きや、波のような動きに向きます。実用的な目安はこうです。速くて鋭い動きはスネアに、丸くなめらかな動きは長く伸びるベースラインに合います。つまり、体が音を理解して、音のように動くということです。

動きの質を語る用語:グルーヴ、ヒット、ミルキング、テクスチャー

フォーメーションより前に、振付を支えているのは動きの質です。土台になるのはグルーヴです。自然に出る頭の揺れや体のスウェイを、そのまま振付へ育てていくもので、一つひとつのステップとアクセントをつなぐ「フロー」にあたります。その上に乗るのがヒットです。強い音を打ち抜くために筋肉を締める、あるいは曲げる動きで、力の配分が大切になります。緩すぎてもいけませんし、いつも全力(full out)でもいけません。音に反応するオーディオビジュアライザーを思い浮かべると、感覚をつかみやすいはずです。

質感に変化をつけるための考え方が二つあります。一つはミルキングで、動きを自然に止まる地点より先まで引き伸ばし、移り変わりを「引っぱる」ことです。軌道と加速の付け方で調整します。もう一つはテクスチャーで、曲の空気を映した動きの質のことです。スタッカート、なめらかな流れ(flowy)、ざらついた荒さ(gruff)などがあり、ヒットとミルキング、それに速度のコントロールを組み合わせて作ります。

効率よく練習するために使われるのがマーキングです。力を抜いて動きをなぞり、体よりも頭で確認しながら、音楽とタイミングと立ち位置に意識を向けます。シンクロが何より大事なグループでは、特に効きます。用語についての補足です。ヒット、グルーヴ、ミルキング、マーキングといった言葉はいずれも英語圏のシーンから来たもので、定訳があるわけではありません。日本のスタジオでも、カタカナのまま使うのがふつうです。

複数人で構成する:ユニゾン、カノン、リップル、そして緩急

グループでまず効くのはユニゾンです。複数のダンサーが同じ動きのフレーズを同時に行うもので、向き、方向、人数、使う舞台のエリアを変えてバリエーションを作れます。この「かたまり」の印象を崩したいときに使うのがカノンです。音楽の輪唱(ラウンド)をダンスに置き換えたもので、同じフレーズを二人以上のダンサー、あるいは二つ以上のグループが、開始点をずらして重ねながら、または順番に実行します。厳密なカノンにも、ゆるい(loose)カノンにもできます。ミラーリングは、二人以上のダンサーが左右対称に動きを映し合うもので、見た目の魅力を高め、精度と一体感を際立たせます。

リップル(カスケード、ウェーブとも呼ばれます)は、順番に伝わっていく波の効果です。一人のダンサーが動きを始め、次のダンサーが素早く受け継いでいきます。振付師は伝わる方向(左から右、前から後ろ、中央から外へ)を決め、ビートに合わせます。リップルはフォーメーション移動のつなぎとしても、強い拍を強調する手段としても使えます。動きの正反対にあるのがホールドで、ダンサーが動きを止めて静止する瞬間です。置きどころを考えて使えば、ビートを際立たせ、視覚的なコントラストとインパクトを生み、音楽性そのものを見せることができます。

あとは、一曲を通してのエネルギー配分です。ペーシングは、強度の高い動きとゆっくりした流れを交互に置く考え方です。ダンサー同士のやり取り(バトル、コール・アンド・レスポンス、関係性の描写)は物語としてのまとまりを作り、視線や表情は演者と観客をつなぎます。一点、押さえておきたい区別があります。振付されたヒップホップ(コマーシャル、チームで踊るもの)は、書かれてシンクロされたフレーズの上に成り立っています。即興を土台にするフリースタイルとは別物で、互いに置き換えられるものではありません。

フォーメーションと舞台の使い方

グループの振付は、フォーメーションに変化をつけるほど良くなります。ライン、円、三角形、斜めのラインを使い分けて、奥行きと、シンメトリー・アシンメトリーを作ります。左右対称のフォーメーションは整った安定感を生み、非対称のフォーメーションは見ていて面白い緊張感を生みます。舞台の四隅まで使い切れば、そのぶん見え方が大きく、力強くなります。よく出てくる形が二つあります。一つは V 字で、中央のダンサーを立てるのに広く使われます。リーダーが前、ほかのメンバーが後ろへ広がる形です。もう一つは三角形で、中央へ向かう焦点がはっきり出るため、オープニングのポーズや見せ場に向きます。

舞台を考えることは、舞台のエリアを考えることでもあります。中央は見せ場とソロのための焦点になります。舞台奥は奥行きを生み、フォーメーション移動のつなぎに使えます。客席にいちばん近い舞台前方は、親密さや表情を見せるのに向きます。左右の呼び方については、日本語には上手(かみて)と下手(しもて)があります。これは客席から見た言い方で、客席から舞台に向かって右が上手、左が下手です。舞台に立って客席を向くダンサーからは左右が入れ替わり、上手はダンサーの左、下手はダンサーの右になります。英語圏では逆に演者側から数え、ダンサーの左が stage left、右が stage right です。ちなみにフランス語の cour / jardin という呼び方は、パリの宮廷劇場の客席が片側に庭(テュイルリー庭園)、もう片側に中庭を向いていたことに由来します。そこへ動きの高さを三段階(低・中・高)、つまり立つ、膝立ち、しゃがむ、跳ぶを組み合わせると、絵に層ができます。

仕上がった振付とそうでない振付を分けるのは、動きとフォーメーションのあいだのつなぎです。なめらかで、ほとんど目に見えないところまで持っていきます。つなぎのステップを挟み、自然に見えるまでその移動を繰り返し練習します。ヒップホップの大会では、この部分に「創造的で、予想を裏切る」ことまで求められます。こうした立ち位置の作業を先に進めておくために、Stancz のようなツールを使えば、スタジオに入る前にフォーメーションを 2D、3D、客席視点で配置して確認できます。

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ヒップホップの 8 カウントとは何ですか?
8 カウントは、音楽のフレーズを八つの拍に区切り、動きを置いてダンサーを音楽に合わせるための枠です。8 拍が終わると、また次の 8 が始まります。頭の位置は、小節の中でいちばん強いアクセントであるダウンビートで見つけられます。速いテンポでは「and」を入れて 16 拍、「e and」を足して 32 拍まで細かく割ることもできます。
ユニゾン、カノン、リップルの違いは何ですか?
ユニゾンでは、すべてのダンサーが同じ動きのフレーズを同時に行います(向きや人数にバリエーションを付けることもあります)。カノンは同じフレーズを開始点をずらして行うもので、重ねることも、順番に受け渡すこともでき、厳密にもゆるく(loose)もできます。リップル(カスケード/ウェーブ)は波の効果です。一人が動き始め、続くダンサーが決めた方向へ素早く受け継いでいき、全体をビートに合わせます。
体で音楽にアクセントをつけるには?
狙った音の層を踊ることです。ベースは床に根を張った動き(ストンプ)を、スネアは鋭くキレのある動きを、シンセは抵抗を含んだなめらかな動きを呼びます。技術としては、強い音はヒット(筋肉を締める、力を配分する)で打ち、動きはミルキングで引き伸ばし、ホールドで静止させてビートを際立たせ、コントラストを作ります。
上手と下手、どうすれば間違えなくなりますか?
上手(かみて)と下手(しもて)は客席から見た呼び方です。客席から舞台に向かって右が上手、左が下手になります。舞台に立って客席を向くダンサーからは左右が入れ替わるので、上手はダンサーの左、下手はダンサーの右です。英語圏では逆に演者側から数え、ダンサーの左が stage left、右が stage right になります。フランス語の cour / jardin は 17〜18 世紀の宮廷劇場に由来し、客席が片側に庭(パリのテュイルリー庭園)、もう片側に中庭を向いていたことから生まれた呼び方です。覚え方は資料によってまちまちなので、どの視点(客席側か演者側か)で話しているのかを毎回添えるのが、結局いちばん確実です。

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グループで踊るヒップホップの振付を組み立てる。音楽性、アクセント(ヒット)、8 カウント、クルーのフォーメーション、ユニゾン、カノン、そして緩急の付け方を解説します。

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