K-POP の振付:フォーメーションと立ち位置の入れ替え

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K-POP の見た目の特徴は、動きだけで決まるわけではありません。ぴたりとそろったグループのフォーメーションと、絶え間なく続く立ち位置の入れ替えが土台にあります。この入れ替えがどう成り立っているのか、どんなフォーメーションを選ぶとよいのか、そしてグループで覚えて伝えていくために練習をどう組み立てるのかを見ていきます。

フォーメーション移動こそ、K-POP の代名詞

K-POP のダンスは、ジャズファンク、ヒップホップ、ストリートダンス、コンテンポラリーの動きが混ざり合ってできていますが、いちばんの特徴はやはり、そろったグループのフォーメーションです。欧米のダンスが一人ひとりの個性を前に出しがちなのに対して、K-POP では何十もの動く部品が集まって、磨き上げられた一つの塊になります。この集団としての美意識が、スタイルの核にあります。

実際のところ、K-POP は絶え間ないフォーメーション移動の上に成り立っています。メンバーは歌い、踊りながら、短くそろった動きで頻繁に立ち位置を入れ替えます。ねらいは、その瞬間に歌っている人、ラップしている人を順番に前へ出すことです。

アイドルグループの人数は平均して 7 人から 9 人で、そのぶんブロッキング(立ち位置の設計)は複雑になります。歌っている人を照らし出すためにフォーメーションは絶えず変わり、その変化をうまく配ることで、メンバー全員が画面に映る場面を得られます。フォーメーションに素早く入り、そしてそれを保つ力を身につけることが重要なのは、そこにグループのまとまりと、映像としての物語の両方がかかっているからです。

主なフォーメーションと、センターの役割

振付を形づくる空間のパターンはいくつもあります。まっすぐな横列は、すっきりとまとまって見えるので、そろえて見せたい場面に向いています。斜めのラインは視線の流れを生み、どのダンサーも平等に見えるようにしてくれます。V 字(ウェッジ)は先端から外へ向かって、左右に一人ずつ足していく形です。ずらした横列(staggered)は、二列目を一列目の隙間に置くことで、後ろの人も隠れずに見えるようにします。これに円、ひし形、四角といった形が加わります。

K-POP でとくによく使われるのが三角形です。大人数の場合、まっすぐな横列は舞台に対して平べったすぎ、横に長すぎると見なされがちなのに対して、三角形は舞台の制約に収まりながら視覚的な面白さを生み出します。先端に置かれたメンバーがフォーメーションを「引っ張り」、視線を集めます。奇数の人数だと、リーダー役がはっきり見える「きれいな」三角形を作りやすくなります。

センターの立ち位置には、特別な意味があります。「Center」はフォーメーションの真ん中に置かれるメンバーで、振付の焦点であり、カメラがいちばん自然に見つける人です(この役割は「Visual」と重なることもあれば、別であることもあります)。「Main Dancer」は通常、フォーメーション移動を引っ張り、ダンスの比重が大きい部分でセンターを務め、「ダンスブレイク」を担当することがいちばん多いメンバーです。一方「Lead Dancer」はそれを支え、いくつかのフォーメーションの軸になり、Main Dancer が不在のときに焦点の役割を引き受けます。

ブロッキングを考える:焦点、空間、舞台用語

ブロッキングとは、舞台上での出演者の配置をあらかじめ細かく決めておくことです。登場、退場、移動、フォーメーション、そして移動のつなぎまでを、道順の地図のように書き出します。この言葉は 19 世紀の演出家に由来します。彼らは俳優一人ひとりに木のブロックを割り当て、模型の上で動かしながら場面を作っていました。今日その立ち位置を記録するのは舞台監督で、公演ごとに同じ舞台を再現するためです。出演者は自分の「マーク」や「スパイク」(床につけた目印)に立たなければ、照明から外れてしまいます。

絵を組み立てるときは、単純な原則を一つ覚えておいてください。観客の視線は、放っておくと中央のダンサーに吸い寄せられます。だからこそ、その流れをあえて崩す仕掛けを用意して焦点を誘導し、密度に変化をつける(誰が実際に踊り、誰が奥で歩いたりアクセントをつけたりするのか)ことで空間を埋めていきます。目指すのは、ブロッキングが音楽と張り合うのではなく、音楽を補うことです。社交ダンスのフォーメーション競技も、同じ優先順位を映しています。審査員は、フロア全体への配り方、パターンの分かりやすさ、そしてつなぎの質を見ますし、ダンサー全員が同時にビートに乗ることが求められます。

舞台用語を押さえておくと、立ち位置を書き留めて人に伝えるのが楽になります。日本語では、舞台前方が客席にいちばん近い側、舞台奥が舞台の後ろ側、舞台(ステージ)が演技をする面そのもの、袖が客席から見えない左右の空間です。横方向では、上手(かみて)が客席から見て右側、下手(しもて)が左側にあたります。いずれも客席視点で決まる呼び方なので、どの視点の話なのかを必ず言い添えてください。英語圏の言い方(upstage=舞台奥、downstage=舞台前方、stage left / stage right は演者の視点なので客席から見た左右とは逆)も、多くのチュートリアルに出てきます。

グループで振付を覚え、伝えていく

覚えるための教材としていちばん役に立つのは、「dance practice video」です。グループが余計なものを省いた場所で通して踊っていて、編集もカットも入らないため、動きがはるかに読み取りやすくなっています。多くのグループは「mirrored」(左右反転)版も公開しています。これは真似してそのまま踊るのに欠かせません。画面の中の人が左腕を上げたとき、自分も左腕を上げればよいからです。カバーダンスをするなら、映像を左右反転させ、再生速度を落としてください。ミュージックビデオよりも、人気歌謡(Inkigayo)のような音楽番組のステージ映像のほうが、全身が見えるのでおすすめです。

覚える作業そのものは、とても地道です。振付を何度も見て一つひとつの動きに分解し、少しでも迷ったらスローにするか一時停止し、大きな鏡を用意して振付をその場で確認できるようにします。複数人で踊るときはなおさらです。グループなら、それぞれの立ち位置を紙に書き出しておきましょう。韓国語の歌詞を覚えるのも、おまけの作業ではありません。感情の意図をつかむ助けになりますし、ダンサーの Ellen Min は「すべては顔にある」と語っています。表情と、言葉によらない伝え方が、このスタイルの中心にあるということです。

フォーメーション移動の計画には、簡単な道具で十分です。点で人を表すアプリ(Playbook など)や、テーブルの上で動かせる物(硬貨、チェスの駒、粘土)を使えば、あるフォーメーションから次のフォーメーションへの動線(pathways)を目で追えます。色分けをして、センター、左右、後ろを区別しておくとよいでしょう。Stancz のようなツールなら、そのフォーメーションを 2D、3D、客席視点で配置して確認でき、観客に何が見えるのかをそのまま確かめられます。最後にもう一つ。K-POP の振付に取り組んでいると、知らないうちに数多くの振付師から学んでいることになり、ダンサーとしての力そのものが伸びていきます。

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K-POP の「立ち位置の入れ替え」とは何ですか?
曲の進行に合わせて、メンバーが短い動きで素早く、そろって立ち位置を入れ替えていく、このスタイルならではの特徴です。ねらいは、その瞬間に歌っている人やラップしている人を順番に前へ出すこと、そしてメンバー全員がカメラに映る場面を確保することにあります。
K-POP のフォーメーションで、なぜ三角形がこれほど多いのですか?
人数の多いグループ(7 人から 9 人がよくある構成)では、まっすぐな横列は舞台に対して平べったすぎ、横に長すぎると見なされがちです。三角形は舞台の制約に収まりながら視覚的な面白さを生み、先端に置かれたメンバーが視線を集めてフォーメーションを引っ張ります。奇数の人数だと、バランスの取れた三角形を作りやすくなります。
Center、Main Dancer、Lead Dancer は何が違いますか?
Center はフォーメーションの真ん中に立つメンバーで、カメラがいちばん自然に見つける焦点です。Main Dancer はフォーメーション移動を引っ張り、ダンスの比重が大きい場面でセンターを務め、ダンスブレイクを担当します。Lead Dancer はそれを支え、いくつかのフォーメーションの軸になり、Main Dancer が不在のときに焦点の役割を引き受けます。
カバーダンスの振付を効率よく覚えるには?
dance practice video(余計なものを省いた場所で、カットなしの映像)を使い、できれば左右反転版で、画面と同じ側の手足を動かして覚えてください。映像を左右反転させ、再生速度を落とし、全身が見えるようにミュージックビデオよりステージ映像を選びます。一時停止を使って一つひとつの動きに分解し、大きな鏡の前で練習し、グループならそれぞれの立ち位置を書き出しておきましょう。

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K-POP のフォーメーション、立ち位置の入れ替え、ブロッキングを身につけるための実践ガイド。振付師、ダンス講師、グループでカバーダンスをする人に向けてまとめました。

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